
徳地 隆弘
株式会社野村総合研究所
主席システムコンサルタント
徳地 隆弘
株式会社野村総合研究所
主席システムコンサルタント
ITサービスマネジメントにおいて、多くの場合最初に取り組むのがインシデント管理ではないでしょうか。しかしながら、実際の活動においてはインシデント情報の収集そのものが目的化してしまうという事例が多く見受けられます。
数年前のITILブームの際、さまざまな企業がインシデント管理の導入から始めました。
全インシデントを記録し、分析、改善することで、インシデントを削減し、品質を向上させるというものでした。現在の状況は如何でしょうか?収集したインシデントを業務改善に活かし、運用コストの削減に結びついたお客様もいらっしゃいますが、大半はインシデントを収集したまま、になっているのではないでしょうか?
私どもはエンドユーザからのサービスデスクに寄せられる、インシデントをひとつのライフサイクルとして捉えています。ライフサイクルによる継続的な改善活動により、インシデント管理そのものの成長が不可欠であると考えます。
前述の成長するインシデント・ライフサイクルマネジメントのために、NRIはサービスデスクの在り方を提言致します。
貴社のビジネス戦略に対してITが貢献していくにあたり、サービスデスクは重要な役割を担います。これは、ITILに則したIS活動ではサービスデスクが一番ユーザ側に近く、サービスオペレーションの中核となるためです。ユーザの利便性を高め、ビジネスの成果を最大化するようIS活動を推進するには、単なるインシデント対応窓口から脱却して、従来のヘルプデスクからサービスデスクへ進化すべきです。
サービスデスクによる、インシデント・ライフサイクルマネジメントの実現により、弊社お客様にて、以下のような効果が確認されています。
詳細は、運用から経営改革を実現する展望として、「PC運用セミナー 2010 Spring」にて、サービスデスクを活用したPCインシデントライフサイクルの改善例を御紹介致します。
事例:IS部門の定量的な目標設定を実現(製造業 Z社)
事例:ベンダコストの適正化(金融業 Y社)
事例:重要度の高い障害を2年で半減(製造業 X社)
ユーザ満足度が1ポイント以上向上(製造業 X社)
事例:ヘルプデスクの統合化によるコスト削減(金融業 A社)
PCの申請から設置までの期間を短縮(製造業 Y社)